チェーホフの連載を始めるにあたって
渡辺聡子
この度、ふえさんの大きな木の家に招んでいただき、嬉しく思っています。
私は長年チェーホフを愛読してきましたが、歳を重ねることや、何かの体験をきっかけに、あらためてチェーホフの作品や生き方の奥深さを知ることがあります。そのことをここでお話しできたらと思っています。初回は長くなってしまいましたが、どうぞよろしくお付き合いください。 “チェーホフの言葉 第1回” の続きを読む
「大きな木の家を作って、みんなで語り合いましょう」、そう夢見たピロスマニに心を寄せて
チェーホフの連載を始めるにあたって
渡辺聡子
この度、ふえさんの大きな木の家に招んでいただき、嬉しく思っています。
私は長年チェーホフを愛読してきましたが、歳を重ねることや、何かの体験をきっかけに、あらためてチェーホフの作品や生き方の奥深さを知ることがあります。そのことをここでお話しできたらと思っています。初回は長くなってしまいましたが、どうぞよろしくお付き合いください。 “チェーホフの言葉 第1回” の続きを読む
大人が読む少年少女世界文学全集 第4巻
狩野香苗
◆まったく読んでいないのに、読んだ気になっている本
いままでここで取り上げた3冊の本には、それぞれ自分なりのこだわりがある本だった。
『飛ぶ教室』は夢中で読んだのに60年たって内容をすっかり忘れてしまった本『十五少年漂流記』は読書の喜びに目覚めて何度も繰り返し読んだ本
『あしながおじさん』は本より舞台の印象ばかり残っている本
いずれも抄訳でなく完訳をしっかり読んだし、子ども心に大きな印象と影響を与えてくれた、忘れられない本だった。
ところが、今回のバーネット(Frances Eliza Hodgson Burnett, 1849年~1924年)作『秘密の花園(The Secret Garden)』は、まったく読んだことがないのに、すっかり読んだ気になっているという、ちょっと問題のある本なのだ。
“バーネット作『秘密の花園』” の続きを読む
桑山ひろ子
あけまして おめでとうございます。
今年は、再生や永遠を表す、と言われている蛇年ですね!
わたしは、昨年ついに後期高齢者の仲間入り。これを機会に、古い皮を脱ぎ捨て、新しい「わたし」で前進しようと思います。
さて、年の初めは「干支」の話からいきましょう。
日本でよく語られる十二支の動物の順番が決まるお話です。
“十二支の話 ” の続きを読む
アントン・ミルチャ
原文のロシア語は、訳文のあとにあります。
日本で初対面の人に「どこから来ましたか」と聞かれて、ボクがロシアだと答えると、それに対する反応はほとんどの場合、「寒いでしょうね」だ。 そこでボクは、ロシアは広い国だからいろんな気候帯がある(そう、日本と同じように)と説明を始めるのだが、そのあとで結局、実はシベリア出身でそこはとても寒い土地なのだと認めるのだ。 “シベリアっ子の手記” の続きを読む
ハンガリーの友人たちの思い出
畔上 明
日本を離れて6週目となる1976年4月30日、ハンガリーに入国しました。
ハンガリーは、9世紀にウラル語族の遊牧民マジャル人が東欧スラヴ圏中央部の平原に割込むように移り住んで成立した国。現在の国土は日本の4分の1という小国ながらヨーロッパの臍ともいえる場所を占めています。 “「ユーラシア放浪」4ハンガリー” の続きを読む
2025年のカレンダーが出来上がりました。写真をいくつか見ていただきましょう。今回のテーマは「出雲」です。ご希望の方は、fue.katayama@gmail.com まで。A4判モノクロ写真13枚 1000円+送料 です。
片山ふえ
ひらかたゆ 笛吹きのぼる近江のや
毛野(けな)のわくごい
笛吹きのぼる
日本書紀に出てくるこの古歌が、私の「ふえ」という名前の源であることは、「We Love遊」に書いたことが2度あるので、覚えていてくださる方があるかもしれません。
(6号に掲載した「ひらかたゆ……」はこちらでご覧いただけます)。
実は先ごろウクライナのキーウで一冊の日本紀行文が出版されました。その本の題名は “Японія. З хіракати під голос флейти… “これを訳すと、なんと『日本 / 枚方ゆ笛ふきのぼる……』なのです! “ウクライナで出版された本『ひらかたゆ……』” の続きを読む
命がけのホスピタリティ
青木恵理子
2023年に新型コロナウイルス流行による海外渡航の制限がなくなり、夫と私は再びフローレス島の「家族」たちのもとを訪れるようになった。私たちが取得するのは、観光や親せき訪問のためのヴィザ(滞在許可)。滞在できるのは最長30日間。これを最大限生かして、私たちは、2023年は10月初めから11月初めまで、そして今年2024年は7月末から8月末まで、その大部分の期間をフローレス島の家族とともに暮らした。そしていつものように、フローレスへの行きかえりには、国際観光地バリ島で2,3日のリゾート気分を味わった。 “もうひとつの故郷フローレス 参の巻” の続きを読む
大人が読む少年少女文学全集 第3巻
狩野 香苗
読んでから見るか、見てから読むか――そんなコピーが大流行したのは、今から半世紀も昔のことだ。ベストセラー小説が舞台化されたり、映画の原作がベストセラーになったりと、出版と映画や演劇が互いに刺激を与えながらブームを作るという手法は昔からある。
アメリカの女性作家ジーン・ウェブスター(Jean Webster、1876-1916)が1912年に発表した児童文学『あしながおじさん(Daddy-Long-Legs)』は、今も読み継がれているが、同時に映画やアニメ、舞台などの視覚化も盛んで、「読んでから見るか、見てから読むか」と、悩んだ人も多いのではないだろうか? “『あしながおじさん』” の続きを読む
J.ウェブスター『あしながおじさん』によせて
吉水法子
マルク・シャガール「私の人生」~両親、妻、故郷の町へ
第2章
角 伸明 訳 “マルク・シャガール「私の人生」第2章” の続きを読む