ケストナー『飛ぶ教室』に寄せて (貼り絵)
吉水法子
『飛ぶ教室(高橋健二訳)』は本棚の奥に、岩波書店ケストナー少年文学全集の一冊として潜んでいました。狩野香苗さんと組んで「大人が読む少年少女世界文学全集」の挿絵を描くにあたり再読し、一番心に残った場面を描きました。
クリスマス休暇に両親のもとに帰れないマルチンに正義先生(ベク先生)が旅費を渡します。マルチンはどう感謝したらよいかわからず、思わず先生の手を握り締めます。おそらくマルチンは小さな両手で先生の手を包み込んだのではないかと想像しました。そこには先生と生徒という立場や年齢を超えた、お互いを尊敬し合う眼差しが静かに輝いていたのではないでしょうか。
アクリル絵具とオリジナル彩色による紙の貼り絵で制作しました。パレットに余った絵具を雑紙に塗り重ねたオリジナルの彩色紙を使っています。
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2022年2月24日、ロシア侵攻をきいて、いたたまれない思いで作った
「No War」





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