もうひとつの故郷フローレス 六の巻

青木恵理子

若気のいたり、極意をはずす!?

1972年4月わたしは晴れて大学に入学した。団塊の世代のように「四当五落」――若い世代の方のために説明しますと、4時間睡眠なら合格するけど5時間睡眠とると不合格という受験勉強態勢を示す標語のようなもの――ということはなかったけれど、闇雲に受験勉強したせいか、合格を知ったとたん、嬉しさのなかになぜか虚しさが芽生え、膨らんでいった。合格発表から数日後には、虚しさがどっかりとわたしのなかに腰を下ろしていた。 “もうひとつの故郷フローレス 六の巻” の続きを読む

消えたトゥーランドット姫

片山ふえ

『トゥーランドット』。
フィギュアスケートのBGMなどですっかりその名がポピュラーになったプッチーニのこのオペラは、今年で初演からちょうど百年目を迎えるという。
折しも、今号発刊直後の1月17日には、キーウからウクライナ国立歌劇場が大阪にやって来て、この歌劇を上演する。 “消えたトゥーランドット姫” の続きを読む

大人が読む少年少女世界文学全集 第7巻

室生犀星作『幼年時代』
代々木ゼミナールの恩師のお話

狩野香苗

新年明けましておめでとうございます。今年もこのページで懐かしい子ども時代の読み物について、気の向くままアレコレと書かせていただきますので、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。 “大人が読む少年少女世界文学全集 第7巻” の続きを読む

もうひとつの故郷フローレス 五の巻

モンテイロさんの時間

青木恵理子

 1970年代、人類学者がフィールドワークの最中に現地特有の病気に罹り、亡くなることはそれほど稀ではなかった。私がマラリアに罹ってかなり重篤になっても回復できたのは、モンテイロさんと彼の家族の力が大きい。 “もうひとつの故郷フローレス 五の巻” の続きを読む